Q2 水栓が凍ってパンクした

弊社のある山梨県富士吉田市は標高も高く、冬場の気温もマイナス10度以下になります。
寒冷地仕様の商品などが各種メーカーで販売されていますが、使用方法によっては
それでも凍結してしまいます。
寒冷地仕様の仕組みと凍った時の対処方法についてあげてみました。


水というものは基本的には0度以下で凍結します。
しかし、0度になったからすぐ凍るわけではありません。
マイナス5〜10度が長時間続いて、水自体が動いていない場合に徐々に凍結していきます。
(*水が動いている場合でも気温の低下により下流より凍結する場合もあります。)

現在の水栓やトイレの寒冷地仕様には3種類の方式があります。

1 水をチョロチョロと出しっぱなしにする(流動方式)

  この方法は器具などが必要ないので、どのご家庭でも実践できる方法です。
  水は動いていると凍りにくいので、水栓から水を出すことでそこまでの配管の水に
  動きが生じて凍結しにくいという方法です。
  また、トイレでは、水のたまる部分の凍結の防止にも繋がります。
  ただ、水量が多いと当然水道料も多くかかるので気を付けましょう。

2 凍結する恐れのある配管の経路の水を抜いてしまう

  寒冷地では、水抜栓という商品を建物の上流側に付けて(埋設)
  そこから先の水を抜く方法です。
  ただし、この方法はある程度の知識が必要になります。
  一般的に水栓には逆流を防ぐために逆止弁というものが付いています。
  これにより水抜栓から水を抜くときも逆止弁が作用して水が抜ききれない
  ことがあります。
  水栓の寒冷地仕様というものはこの水抜きに対応した商品なのです。
  水栓の寒冷地仕様では大きく分けて2種類の方式があります。
  1つ目は逆止弁がないタイプです。水抜き作業したときに水栓の水も
  一緒に抜けるようにしたタイプです。
  2つ目は逆止弁の先の本体に水抜栓を付けたタイプです。
  逆止弁の手前は配管の水抜栓で抜き、その先は水栓の水抜きで
  水を抜くという作業になります。
  ただし、水栓自体の構造が複雑で水が抜ききれない場合も
  多々あり、水抜き作業をしても水栓のパンクをした事例は
  ありますので、長期に水栓を使わない場合は念入りにするには
  水栓を取り外す方もいらっしゃいます。

3 配管や製品にヒーターを巻く

  その名のとおり、ヒーターの登場です。凍結が考えられる箇所に
  ケーブル式、あるいはラバー式のヒーターを密着させる方法です。
  それにより水温の低下を防ぎ、凍結防止となります。
  当然、電気代がかかりますので、自動的に温度を感知して電源の
  オンオフをするサーモを同時に使用する方もいらっしゃいます。

凍結(パンク)した場合の対処法

  基本的には溶かして下さい。
  配管が凍結した場合で、鉄管を使用している時には解氷機という
  ものを使って電気を通して暖める方法もあります。
  その他の材質の配管の場合にはお湯(熱湯不可)をかけるか
  外から暖めるしかありません。
  
  水栓の凍結の場合も暖めるしかありませんが、
  水栓の場合には凍結で水の体積膨張により本体の亀裂・変形が
  見られることがあります。
  特に、サーモ付水栓やシングルレバー水栓の中にあるカートリッジ
  (樹脂製の円筒系のもの)が破損することがありますので、
  本体に亀裂・変形がない場合にはカートリッジだけの取替えで
  修理することが可能の場合もあります。
  その場合は水栓本体のメーカーと型式が分かれば、ほぼ取り寄せは
  可能です。お近くの水道取扱店などにお問い合わせ下さい。